大好きなお婆ちゃん

 

 

俺が生まれた時には

双方のお爺ちゃんは

亡くなっていた

 

 

高校生の時に

父方のお婆ちゃんが

亡くなった

 

 

そして、去年とうとう

母方のお婆ちゃんも

亡くなった

 

 

双方のお婆ちゃんには

凄く可愛がってくれて

感謝しかない。

もっと恩返しを

したかったのが心残り

 

 

母方のお婆ちゃんは

大分県に住んでいて

年に一度会えるか

会えないかだった。

 

 

ここ数年コロナもあって

全然会えずに

終わってしまった。

 

 

最後に会ったのは

何年も前に大阪に

来てくれた正月の時。

 

 

元気なうちに大阪に

招こうと思って

企画したんやけど

 

 

お婆ちゃんは

人の世話になるのが

嫌な性格で

 

 

新年早々から

娘夫婦の家に行って

世話になりたくないと

言って拒否していた。

 

 

しかし、

俺の母親の妹夫婦が

お婆ちゃんの近くに

住んでいて

常に様子を見に

行ってくれたり

大変だから

 

 

正月くらいは妹夫婦を

ゆっくりさせたいので

お婆ちゃんを大阪に

招きたかった。

 

 

そこで、俺の母親は

強硬手段に出た。

 

 

母親の妹が

お婆ちゃんに

 

 

「お母さん、

お出掛けするから

車に乗って」

 

 

と言って車に乗せて

 

 

大分空港まで行くと

 

 

あらかじめ飛行機で

大阪から大分に

来ていた母親と合流。

 

 

妹から母親に

バトンタッチして

そのままお婆ちゃんを

搭乗口まで連れていき

母親と二人で飛行機に搭乗

 

 

この時点でお婆ちゃんは

状況を呑み込めて

なかったらしく

 

 

伊丹空港に到着して

車に乗り変えて

阪神高速を走り

 

 

高速を降りて

大阪城が見えると

お婆ちゃんは

 

 

「あれ??

大阪に来たのかい??」

 

 

やっと理解出来たらしい

 

 

これって拉致かな

 

 

ショックを受けたみたいで

「明日帰るからね」

と言い続けていた。

 

 

帰る日にちを言えば

それまでの期間苦痛に

なると思うので

 

 

「分かった、明日帰ろうね」

の繰り返しで

結局10日滞在してた

 

 

なんやかんや言って

それなりに楽しんで

くれてたと思う

 

 

お婆ちゃんは今まで

質素な食事ばかりで

野菜・魚・酢の物

ばかり食ってたけど、

 

 

80過ぎてから

肉が美味いと思ったらしく

唐揚げとか

しゃぶしゃぶを

好きになって

焼肉屋連れて行ったら

喜んでくれた。

 

 

肉を食べて

元気でいてくれたのか

93歳で亡くなるまで

元気でした。

 

 

次に大阪に来てくれたら

王将に連れて行こうと

思ってたけど

叶わず心残りです。

 

 

今年は初盆

皆で明るく迎え火します。

 

 

 

Next ⑨阪神ファン

 

 

 目次へ