お婆ちゃんの徘徊

 

 

営業時間終了間際に

片付けをして

終ろうとした時に

見た事ないお婆ちゃんが

店に入ってきた。

 

 

カットでもしに来て

くれたのかと思いきや

発言が支離滅裂で

全く会話が嚙み合わない

 

 

これはもしかして

徘徊で迷い込んで

来たのかと思い、

交番に行って報告したら

すぐに来てくれて対処

してくれた

 

 

どうやら常習的に

徘徊してたそうで

警察も「またか」

という感じだった。

 

 

こんな事珍しくないんやね

家族も四六時中監視

出来る訳じゃないし

苦労すると思う。

 

 

以前勤めていたサロンでも

徘徊では無いけど

似たような事があった。

 

 

当時90近いお婆ちゃんが

娘さんの付き添いで

店に通ってくれていた。

 

 

娘さんは70近かったと

思うけど、高身長で

体格が良く強面だった

 

 

見た目は怖いけど

超優しい娘さんで母親思い

 

 

ある日、お婆ちゃんが

一人でご来店された。

 

 

「あれ?今日は

娘さんいてないの?」

 

 

と皆が思ってたら、

娘さんに言わずに

勝手に店に来たらしい。

 

 

その時、娘さんは

母親が居ないのに気付き

町中を血眼で探してたらしく

 

 

「もしかして散髪屋さんに

行ったのでは?」と思い

 

 

行ってみたらビンゴ!

 

 

母親の姿を見て娘さんは

一目散でお婆ちゃんの

座っている椅子に

駆け寄って

 

 

椅子の背もたれ部分を

何度もバンバン叩いて

 

 

「このクソババァ!!

何を考えてるんじゃ!!

どんだけ心配掛けたか

分かってんのか~!!」

 

 

優しい娘さんやけど

見た目が怖いから

怒ったら迫力が凄い。

俺でも怒られたら凹むわ

 

 

娘さんはホンマに

母親が大好きなだけに

心配で心配で怒っただけ

 

 

しかし、お婆ちゃんは

完全にビビッて号泣

娘さんも怒った後は号泣

まさに阿鼻叫喚。

 

 

一件落着なのに

お婆ちゃんは帰ってから

娘さんに殺されるのかと

思ったのか

 

 

帰り間際に泣きながら

 

 

「皆さん、

今迄お世話になりました

どうかお元気で・・・」

 

 

と言って帰っていった。

 

 

一ヶ月後、

娘さんと一緒に

来てくれました。

 

 

 

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